消費者のメディア接触行動の複雑化に対応するため、ニールセンが打ち出しているのが「Anytime Anywhere Media Measurement (A2/M2)」戦略。時間や場所、デバイスの壁を越えて、消費者のメディア接触行動および購買行動をできるだけ同一サンプルで把握しようというもの。しかし、ここで障壁となるのがプライバシーの懸念。テレビ視聴率のパネルに対して、テレビの視聴だけでなくオンラインの行動についても調査協力を依頼したところ、強力に拒否され計画を縮小。3年に渡ってアービトロンと展開してきたアポロ計画も、複数のメディア接触と購買行動の把握に協力してもらえるパネルの確保に難航。調査費用が高額になってしまい、少数のクライアントしか確保できなかった。現在、ニールセンはアポロ計画を除いて16種類の調査パネルを抱えている。10年前は5種類だった。テレビにはTNS、インターネットにはコムスコア、モバイルにはエムメトリクスというように、各メディアには競合する調査会社がある。ニールセンに期待されるのは、メディアを横断する消費者行動を俯瞰した分析。そのためには、分離したパネルのデータを統合する方法もあるが、パネルそのものを統合する方法が理想といえる。ニールセンはパネルの心理的な抵抗に配慮しつつ、データを渇望して苦悩しそうだ。
アマゾンが「Amazon DSP」ですべての広告主に「Brand+」を提供。ブランド認知キャンペーンを人工知能により自動で最適化できる。アマゾン内の購買行動や閲覧行動のシグナルから潜在顧客を割り出し、「Prime Video」や「Twitch」、およびアマゾン以外のパブリッシャーにビデオ広告を配信する。ファネル下部の成果を人工知能で自動最適化する機能としては、すでに「Performance+」を提供している。 Amazon Ads introduces Brand+, a new way to grow your business with AI-optimized TV ad campaigns https://advertising.amazon.com/library/news/brand-plus-ai-tv-advertising