消費者のメディア接触行動の複雑化に対応するため、ニールセンが打ち出しているのが「Anytime Anywhere Media Measurement (A2/M2)」戦略。時間や場所、デバイスの壁を越えて、消費者のメディア接触行動および購買行動をできるだけ同一サンプルで把握しようというもの。しかし、ここで障壁となるのがプライバシーの懸念。テレビ視聴率のパネルに対して、テレビの視聴だけでなくオンラインの行動についても調査協力を依頼したところ、強力に拒否され計画を縮小。3年に渡ってアービトロンと展開してきたアポロ計画も、複数のメディア接触と購買行動の把握に協力してもらえるパネルの確保に難航。調査費用が高額になってしまい、少数のクライアントしか確保できなかった。現在、ニールセンはアポロ計画を除いて16種類の調査パネルを抱えている。10年前は5種類だった。テレビにはTNS、インターネットにはコムスコア、モバイルにはエムメトリクスというように、各メディアには競合する調査会社がある。ニールセンに期待されるのは、メディアを横断する消費者行動を俯瞰した分析。そのためには、分離したパネルのデータを統合する方法もあるが、パネルそのものを統合する方法が理想といえる。ニールセンはパネルの心理的な抵抗に配慮しつつ、データを渇望して苦悩しそうだ。
資生堂は、世界の媒体費のデジタル化率を、現在の約50%から2023年には90%以上に引き上げるという。2020年第2四半期の決算説明で方針を明らかにした。代表取締役社長の魚谷雅彦氏によると「限りなく100%」を目指すという。 https://www.irwebcasting.com/20200806/5/aa3167b53b/mov/main/index.html