結婚(婚約)詐欺でなく「エンゲージメント詐欺」。このところ広告業界で流行の兆しがある。何度かだまされそうになったし、逆にだましそうになったこともある。広告業界には話術に長けたひとが多く注意が必要だ。会話の中で1分間に5回くらいエンゲージメントという言葉が出てきたら、エンゲージメント詐欺である可能性が高い。腰に手を当ててエンゲージメントを語るひとがいたら、マーケティングの潮流に精通したプロフェッショナルか、完全なエンゲージメント詐欺師のどちらかだ。エンゲージメント詐欺師は、数値で明示しにくいもやもやした広告効果をエンゲージメント効果と呼んだり、これまで理解度や好意度と呼んでいた指標をエンゲージメント度と言い換えて聞き手を惑わす。エンゲージメントの明快な定義は共有されていないため、聞き手は話し手の意図を正確に汲み取りにくい。詐欺師はそこにつけこんで反論の余地を与えない。エンゲージメント詐欺から身を守るには、エンゲージメントを別の言葉で置き換えてもらうとよい。一方、詐欺師にならないため、できるだけ自分自身の言葉で考えて話したい。エンゲージメントという概念はまったく否定しないが、便利な魔法の言葉なので使い方に気をつけたい。
インスタグラムは、月間利用者数が30億を超えたと発表。同時に、アプリ起動時にリールを優先して表示する試験をインドで開始することを明らかにした(先日公開されたiPad用アプリと類似の仕様)。また、グローバルでも機能の構成を見直し、DMをナビゲーションバーの中央に配置する。 In India, Instagram debuts a Reels-first experience for its mobile app https://about.fb.com/news/2025/09/in-india-instagram-debuts-a-reels-first-experience-for-its-mobile-app/ インスタグラムの責任者であるアダムモッセーリ氏によると、インスタグラムの成長はDMとリールとおすすめが牽引している。今回の変更はその動向を反映したものといえよう。 View this post on Instagram A post shared by Adam Mosseri (@mosseri) 各種プラットフォームのナビゲーションバーの配置は、サービス提供者の期待や思惑が反映されるため、注目している。ユーチューブやティックトックなど、新規投稿ボタンをナビゲーションバーの中央に配置するものが多いが、インスタグラムはDMを中央に配置することにした。Xは「Grok」を中央に配置していて、AIアシスタントに注力していることが分かる。一方、LINEヤフーは「LINE」のナビゲーションバーの中央を「VOOM」から「ショッピング」に変更する予定だ(2025年度第2四半期決算説明会資料より)。縦型短尺ビデオの流行に対応すべく「VOOM」を前面に打ち出したものの、競合のティックトックなどは強力であり、ショッピングに勝ち筋を見つけようとしているのではないか。