スキップしてメイン コンテンツに移動

アドバタイジングドットコム・ジャパン、本格起動へ

アドバタイジングドットコム・ジャパンの動向は情報があまり流通していなかったが、セールスチームマネージャー竹谷直彦氏ほかに現在のサービス内容や今後の見通しを伺うことができた。
【アドバタイジングドットコム・ジャパンについて】 三井物産とアドバタイジングドットコムが2006年12月に設立。ふたつの技術「AdLearn Technology」(広告の配信先を最適化する技術)と「LeadBack Technology」(高度なユーザーターゲティング技術)を駆使して広告ネットワークを展開。アービトラージ(裁定取引)の仕組みを採用している。つまり、媒体社から広告枠を仕入れるときはインプレッションベースで支払い、広告主に広告枠を販売するときはパフォーマンスベースで請求している。媒体社にとって販売しづらい広告在庫の価値を高めて販売することができる。
【広告ネットワークについて】 日本法人設立後、配信管理システムのローカライズや広告ネットワークの拡大に努めてきた。2007年5月から広告枠の販売を開始している。現在、広告ネットワークに加入しているパートナーサイトは約60サイトで月間約7億インプレッション。パートナーサイトは非公開。広告ユニットは、728×90ピクセル、468×60ピクセル、300×250ピクセル、200×200ピクセルをそろえている。
【Advertiser LeadBack について】 2008年2月から提供を開始。広告主サイトを訪問したことがあるオーディエンスが広告ネットワークのパートナーサイトを訪問したとき、再び広告主サイトを訪問するよう広告を配信するサービス。いわゆるリターゲティング。月間30万から50万の訪問者がいる広告主サイトなら有効に活用できる。今後広告ネットワークが拡大すれば、訪問者の少ない広告主サイトのオーディエンスも広告ネットワークで捕捉できるようになる。
【成果報酬額の決定について】 広告主と成果報酬型の取引をする場合、クリック課金またはアクイジション課金の契約を結ぶ。クリック単価やアクイジション単価は広告主の商品サービスによって異なるため、個別の見積もりとなる。同一業種の広告主でも成果単価は同一にならない。アクイジション課金の場合、1ヶ月ほどのラーニング期間に成果報酬以外の課金体系で試験出稿し、そのパフォーマンスにしたがって広告主に提示するアクイジション単価を算出する。クリック課金の場合、クリック単価の算定に必要なラーニング期間はアクイジション課金の場合より短い。成果報酬単価を広告主と合意した後は、その単価で利益を確保するため、広告やランディングページの助言も行う。
【その他のサービスについて】 アメリカではリッチメディアやビデオの広告ネットワークを開始している。将来は日本でも展開したい。成果報酬型だけでなくブランディング型のサービスもそろえたい。現在は検索連動型広告やアフィリエイトに積極的な広告主がアドバタイジングドットコムを評価しているが、広告主の幅を広げたい。
【クオリティの追求】 広告ネットワークの規模を拡大するだけでなく、クオリティにもこだわりたい。クオリティとは、広告配信技術のクオリティ、パートナーサイトのクオリティ、広告主のクオリティだ。媒体社にとって広告収益を稼ぐための選択肢が増加している。複数の選択肢を比較する第一の基準は収益性だろうが、魅力のある広告主をいかに引き連れてこられるかも大切だろう。

このブログの人気の投稿

写真が歌になる「AIソングメーカー」

日本コカ・コーラ「ジョージア」が、写真から音楽付きの歌詞とジャケット画像を生成する「AIソングメーカー」を公開。 AIソングメーカー https://mydrabu.georgia.jp/song/ アップロードしてみた写真 生成されたAIソング https://www.coca-cola.com/jp/ja/media-center/news-20240226-11

JARO「苦情の50年史」

日本広告審査機構(JARO)は、設立50周年を記念して「苦情の50年史」を公開。2014年からの10年間を「ネット苦情急増期」としている。 苦情の50年史 https://50th.jaro.or.jp/history/ https://www.jaro.or.jp/news/20241001.html

偽情報やなりすまし広告への提言まとまる

総務省が「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ」を公表。なりすまし型の偽広告の問題など、事業者の自主的な取り組みのみには期待できない状況を踏まえ、幅広いステークホルダーが連携した総合的な対策が必要としている。総合的な対策には、「広告の質の確保を通じた情報流通の健全性確保」(広告の確実な事前審査や掲載停止措置)、「質の高いメディアへの広告配信に資する取組を通じた健全性確保」(ガイドラインの策定など)が含まれる。 「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ」及び意見募集の結果の公表 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000417.html デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/digital_space/