サーチエンジンはナビゲーションエンジンでもある。特定のウェブサイトに訪問したいとき、アドレスを打ち込んだりブックマークをたどるのでなく、検索してみるのが一般的になっている。したがって、検索行動は一般的なサーチとナビゲーショナルサーチに分類できる。検索連動型広告はその両方に表示されるが、検索行動の動機が異なるのだから広告効果も異なるのではないか。アトラスはそこに注目して報告書を発表した。 ------------------------------ Paying for Navigation: The Impact of Navigational Behavior on Paid Search http://www.atlassolutions.com/WorkArea/showcontent.aspx?id=1868&LangType=1033 ------------------------------ 同社は2006年11月1日から2007年5月1日に蓄積した12万人(広告主30社で各社4万人)のクリックログを解析した。検索連動型広告のクリック数は275,858回だった。解析にあたり、ブランドデッドキーワードサーチ(ブランド名や企業名に関連する言葉による検索)およびリピート訪問行動を、ナビゲーショナルサーチと定義した。そうしたところ、検索連動型広告のクリックの71.0%は、ナビゲーショナルサーチで消化されていた。検索連動型広告の費用の53.6%は、ナビゲーショナルサーチで消化されていた。新規顧客の獲得に注力するためには、検索連動型広告がナビゲーショナルサーチで消化される割合を縮小しなければならない。イーベイはグーグルへの出稿を10日間停止してみたが、トラフィックへの影響はわずかだったという。ナビゲーショナルサーチのコンバージョン率が高いことがあるが、それはブランドを認知および理解したうえで広告がクリックされているからにすぎない。最終のクリックだけでなく、ブランドを認知および理解させた手前のクリックも評価すべき。また、検索連動型広告に依存せず、純粋な検索結果の最適化に注力すべき。