スキップしてメイン コンテンツに移動

新広告効果測定手法「Causal Attribution」

コレクティブがオンライン広告の効果測定手法「Causal Attribution」を発表。既存のアトリビューションモデルの欠陥を指摘しながら、新手法の有用性を説いている。
------------------------------
Causal Attribution
http://collective.com/insight/causal-attribution
------------------------------
この「Causal Attribution」は、広告に起因する成果だけを浮き彫りにできる測定手法だ。実験計画法を採用しているが、統制群に公共広告を配信するような一般的な手法とは異なる。次の6つの手順で測定する。
------------------------------
1. 過去28日間に2日以上読み書きができたクッキーを、セッションごとに削除されない安定的なクッキーと判定して、オーディエンスクラウドと定義する(コレクティブは約2億のオーディエンスクラウドを保有)。
2. オーディエンスクラウドを無作為に実験群と統制群に区分する。測定の目的などにもよるが、統制群は5%から20%でよい。
3. 実験群にだけ広告を配信する。
4. キャンペーン期間中から終了後にかけ、購買など期待する成果の発生を捕捉する。実験群と統制群の両方の成果を捕捉する。
5. 実験群と統制群のそれぞれについて、成果の発生数をクッキー数で割り、成果発生率を算出する。
6. 実験群の成果発生率を統制群のそれと比較して、上昇率を算出する。
------------------------------
オフラインの購買データやブランド評価調査などをクッキーとひもづけることで、オンラインのコンバージョン以外を効果指標とすることもできる。また、実験群を細分化することで、クリエイティブ、メディア、フリークエンシーを分析することもできる。あるホテルチェーンのキャンペーンでは、2,000万の統制群から882件、1億8,000万の実験群から9,037件の成果が発生した。その差分を分析することで、純粋に広告に起因する成果は1,099件と計算され、広告の費用対効果を厳密に把握できた。また、オーディエンスの属性ごとに分析すると、不動産・旅行関心層のクリックは多かったが、それらの属性からは統制群でも多数の成果が発生しており、統制群との差分を考慮するとファッション関心層の方が広告の投資効率が高かった。

このブログの人気の投稿

LINEヤフー、計測タグとコンバージョンAPIを刷新

LINEヤフーが、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」で「計測タグ」と「新しいコンバージョンAPI」の提供を開始。「コンバージョン測定タグ」や「サイトリターゲティングタグ」などの現行タグ、および従来のコンバージョンAPIは引き続き利用できるが、将来は提供を終了する予定であり、今後は「計測タグ」と「新しいコンバージョンAPI」の利用が推奨される。「計測タグ」はひとつのタグ(グローバルスニペットとイベントスニペット)で計測したイベントデータを複数の目的で活用できるため、現行タグより管理を簡素化できる。 計測タグと新しいコンバージョンAPIの提供開始について https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20250623/ 計測タグについて https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000054772 コンバージョンAPIについて https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000055044

「TikTok Shop」を日本でも提供

ティックトックが、ティックトックのアプリ内で商品を販売できる機能「TikTok Shop」の国内提供を開始。すでに多数の企業が「TikTok Shop」の開設支援に名乗りを上げている。ティックトックは、ショートビデオやライブ配信で発見した商品をそのままプラットフォーム上で購入できる体験を「ディスカバリーEコマース」と呼んでいる。ブランドにとっては販売機会だがクリエイターにとっては収益化機会であり、ショップの開設そのものでなくアフィリエイト機能の活用が成功のカギになると思われる。 TikTok Shopを日本で提供開始!発見から購入までをアプリ内で完結し、新たな購買体験となる「ディスカバリーEコマース」を実現 https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/tiktok-shop-launch-japan ソーシャルメディア上のショップ機能は、すでにメタなどが先行して提供している。しかし、メタはプラットフォーム上での決済機能はアメリカでしか提供しておらず、またアメリカでも終了を予定している。 About changes to Shops and checkout on Facebook and Instagram https://www.facebook.com/business/help/1314349509894768 ティックトック以外のショップ機能が改めて注目されてもよいと思うが、ティックトックによるショップ機能の注力度が際立っているのは確かだ。