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テレビ広告の投下量とブログのエントリー量の関係

日経広告研究所「日経広告研究所報233号」に、ビデオリサーチによる研究論文「ブログ解析を活用した広告効果測定」が掲載されている。テレビ広告100GRP(15秒換算世帯視聴率)当たりのブログエントリー促進度を、GGR(GRP Generated Response)という指標にしている。
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ブログエントリー促進度(GGR)の計算式
GGR=(評判量÷15秒換算世帯視聴率)×100
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評判量とは、ブログの投稿数。テレビ広告の初期出稿から立ち上がりの1週間に、ある洗濯洗剤ブランドの評判量は143、テレビ広告の出稿量は175.5GRPだったので、GGRは81.5。あるヘアケアブランドの評判量は916、テレビ広告の出稿量は1544.7だったので、GGRは59.3。そのように計算するという。このGGRは、指標としてはおもしろいが、そのスコアをいかに解釈すべきか悩む。ブログの投稿数の増減は広告だけに起因するものではないから、GGRを広告効果指標ととらえるのは不適切だろう。ブランドによっては、広告を出稿していなくてもブログへの投稿があることを考慮しなくてはならない。また、テレビ広告のGRPは地区ごとに分かれるが、ブログの投稿数は地区ごとに分けられない。そこにも留意すべきだろう。

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