ビルコムの太田滋氏の著書「WebPRのしかけ方」をいただいた。ビルコムはユニクロなどをクライアントに抱えているPR会社。オンラインの消費者行動を「購買プロセス」(気づく・わかる・比べる・買う)と「情報発信プロセス」(触れる・調べる・書く・つながる)に分類して、「WebPR」ではそれぞれに施策を用意するという。PRは第三者を通じて情報を発信するため、消費者に受け入れてもらいやすい。しかし、第三者をコントロールすることは難しく、不確実性が高い。そこで、PR会社の専門的な知見による戦略の立案と実行が求められる。一方、広告は伝えたいメッセージを伝えたいだけ露出できるので、広告会社はその確実性に甘えてきたところもあるだろう。しかし、ソーシャルメディアが台頭してきたいま、マスメディアだけを確実にコントロールしても成果を期待できないことは、広告会社も気付いている。このところPRが注目されているが、広告かPRかという次元を超えて発想していきたい。その視点においても、消費者をいかに動かすかという論考は参考になるものだった。
ザトレードデスクのレポートによると、消費者は「ウォールドガーデン(Walled Gardens)」より「オープンインターネット(Open Internet)」の利用時間が長く、ウォールドガーデンに広告費を集中させると機会を損失する可能性があるという。 オープンインターネットの未来 | The Trade Desk https://www.thetradedesk.com/jp/open-internet その指摘に間違いはない。しかし、もし「オープンインターネットはウォールドガーデンよりよいもの」と読み解くならそれは間違いで、オープンインターネットとウォールドガーデンのそれぞれに長所があると理解すべきだろう。「オープン」という言葉には、開放的で、民主的で、透明な印象があり、一方の「ウォールド」という言葉には、閉鎖的で、独占的で、不透明な印象がある。そのせいか、ウォールドガーデンが悪者扱いされることがあるが、ウォールドガーデンではプラットフォームが利用環境やデータを集中管理しているからこそ、ブランドは正確に、安全に、容易にマーケティングを行えている。 先日たまたま見かけたビデオで、ウォールドガーデンとオープンインターネットの長所短所を整理しているシーンがあるので紹介しておく。オープンインターネットの短所を要約すると「Not Easy」だ。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000035203.html