2008年1月2日、JPモルガンはインターネット関連企業への投資についてのレポート「Nothing But Net」を発行した。インターネット関連企業を推奨する主要な理由として、オンライン広告のCPMの上昇を挙げている。アメリカでは、マイスペースやフェイスブックのようなノンプレミアムな広告在庫が拡大したこともあって、CPMが低下してきたという。しかし、CPMは2007年に底を打ち、2008年から上昇に転じると予測。その予測の根拠のひとつとして、オフライン広告在庫の減少がある。2008年もテレビ視聴率の低下傾向には歯止めがかからず、テレビ広告の在庫は縮小するという。さらに、縮小した在庫の一部は大統領選挙の広告合戦に割かれてしまう。したがって、オフライン広告の在庫は広告需要を吸収しきれず、広告予算はインターネットにシフトするという。このレポートは合計312ページ。レポート内のテキストを検索したところ、グーグルは163件、ヤフーは97件、マイクロソフトは34件の記述があった。今年も台風の目はグーグルか。
ザトレードデスクのレポートによると、消費者は「ウォールドガーデン(Walled Gardens)」より「オープンインターネット(Open Internet)」の利用時間が長く、ウォールドガーデンに広告費を集中させると機会を損失する可能性があるという。 オープンインターネットの未来 | The Trade Desk https://www.thetradedesk.com/jp/open-internet その指摘に間違いはない。しかし、もし「オープンインターネットはウォールドガーデンよりよいもの」と読み解くならそれは間違いで、オープンインターネットとウォールドガーデンのそれぞれに長所があると理解すべきだろう。「オープン」という言葉には、開放的で、民主的で、透明な印象があり、一方の「ウォールド」という言葉には、閉鎖的で、独占的で、不透明な印象がある。そのせいか、ウォールドガーデンが悪者扱いされることがあるが、ウォールドガーデンではプラットフォームが利用環境やデータを集中管理しているからこそ、ブランドは正確に、安全に、容易にマーケティングを行えている。 先日たまたま見かけたビデオで、ウォールドガーデンとオープンインターネットの長所短所を整理しているシーンがあるので紹介しておく。オープンインターネットの短所を要約すると「Not Easy」だ。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000035203.html