スキップしてメイン コンテンツに移動

電通が解明したクチコミのメカニズムとは

クチコミの法則を研究しているという電通の森岡慎司氏。「口コミ発信者と受信者の間には最適な情報格差がある」という。そのほかにも、マスメディアによるクチコミの促進効果、為替の予測を応用したクチコミの予測について、興味深い言及がある。
------------------------------
▼クチコミの発信者と受信者の適切な情報格差
成蹊大学の山本晶准教授との共同研究で見えてきた成果ですが、「口コミ発信者と受信者の間には最適な情報格差がある」というものがあります。(中略)会話が起きやすい要因としては、適切な情報格差が存在することがわかりました。つまり、人は自分より少し詳しい人から話を聞きたいし、自分より少し下の人に話をしたいのです。しかし、情報レベルの格差があり過ぎる人に説明するのは面倒くさいから嫌なんです。
▼マスメディアによるクチコミの促進効果
マスメディアは口コミにどのくらい効いているかという研究もしています。その結果見えてきたのは、まず、口コミを発信する人と受信する人の間でマスメディアの情報は共通言語になるということです。また、先ほどあまり情報格差があると口コミは起こらないと言いましたが、マスメディアには、情報格差を是正し、適切な情報格差をつくる働きがあることも推定できました。そうすると会話が起きやすくなるんですね。
▼クチコミの発生の予測
東京工業大学の高安美佐子准教授との共同研究ですが、経済物理学、エコノフィジックスの理論を応用したものです。(中略)10日から20日前には口コミのピークがどこまで行くのか、それがどう終焉するかがほぼ予測できるところまで来ています。
------------------------------
この後に続く「クロスメディアの話で一番出てこないのは「タイミング」の問題です」という指摘も鋭い。

このブログの人気の投稿

電通、TikTok広告の短期・長期の投資効率を分析

電通が、北欧の15ブランドを対象に、ティックトック広告の短期的および長期的な売上への影響をマーケティングミックスモデリングで分析した。短期的な売上に注目すると、75%の広告主にとってティックトックは投資利益率が最も高いチャネルだった。長期的な売上に注目しても、ティックトックは平均以上の投資利益率が確認された。また、クリエイティブによる売上への影響を明らかにするため、プロが制作した広告、販促メッセージを含めた戦術的UGC、販促メッセージを含めないストーリーテリングUGCを比較したところ、ストーリーテリングUGCの成果が最も高かった。ストーリーテリングUGCは視聴時間や注目を得やすく、記憶に残るため、将来の購入意思決定に寄与すると考えられる。 From Storytelling to Sales: Short and Long-Term ROI of TikTok Advertising https://ads.tiktok.com/business/en-US/blog/tiktok-dentsu-from-storytelling-to-sales-nordics https://issuu.com/tiktokforbusinesseu/docs/tiktok_dentsu_from_storytelling_to_sales

TikTokが禁止されれば、予算はInstagramへ

WARCがティックトックについて分析したレポート「Platform Insights: TikTok 2025」を作成。アメリカでティックトックの禁止措置が実現しないと仮定した場合、世界のティックトックの広告収入は2025年に324億ドルに達し、ソーシャル広告費全体の11%を占めると予測している。ティックトックが禁止されると、最も恩恵を受けるのはインスタグラムで、ユーチューブやスナップにも支出が流れるという。 Platform Insights: TikTok 2025 https://www.warc.com/content/paywall/article/Warc-Data/Platform_Insights_TikTok_2025/en-GB/159437 https://www.mediapost.com/publications/article/403921/if-not-banned-this-year-tiktok-ad-spend-projected.html

欧州IAB、リテールメディアの定義を再整理

IABヨーロッパが、リテール&コマースメディアの定義を要約した資料を公開した。用語集も更新。リテールメディアとコマースメディアの二語を、ほぼ共通の概念としてあまり区別せずに使用するようになった。 IAB Europe's Retail & Commerce Media Definitions One Pager https://iabeurope.eu/knowledge_hub/iab-europes-retail-commerce-media-definitions-one-pager/ IAB Europe’s Updated Retail & Commerce Media Glossary - March 2025 https://iabeurope.eu/knowledge_hub/iab-europes-updated-retail-commerce-media-glossary-march-2025/ リテール&コマースメディアの定義を和訳すると次の通り。 リテール&コマースメディア:リテールメディアネットワークを含むコマースメディアネットワークは、自社プラットフォームの内外を問わず、ブランドや小売業者が消費者の購買検討過程を通して商品やサービスを訴求することを可能にする。コマース/リテールデータを、計画・実施・測定に使用する。オンサイト、オフサイト、インストアの幅広い施策が含まれる。 オンサイトリテールメディア:コマースプラットフォームや小売業者のプロパティ上で販売される広告。コマースプラットフォームや小売業者が所有し運営しているウェブサイトやアプリがその典型。スポンサードプロダクトやスポンサードディスプレイなど。 オフサイトリテールメディア:コマースプラットフォームや小売業者が所有・運営するウェブサイトやアプリ以外の第三者パートナーの広告在庫に、小売業者のデータを連携して使用する。 インストアリテールメディア:計画・実施・測定に小売業者のデータを使用する店舗内の広告。