2005年2月15日、クラリアは行動ターゲティングがクリック率を上昇させる効果があることを発表した。行動ターゲティングの効果を、行動ターゲティングされていない広告との比較によって明らかにした調査結果は、これまでは他社も含めて公開されたことがなかった。調査では、主要ポータルサイトにおいてランオブサイトとして配信された16社のバナー広告のクリック率を分析した。特定カテゴリーに興味があると推測される視聴行動をしていたひとのクリック率と、そのような視聴行動を2週間以内にしていなかったひとのそれを比較した。結果として、特定カテゴリーに興味があると推測される視聴行動を1時間以内にしていたひとのクリック率は、そのような視聴行動を2週間以内にしていなかったひとのそれの14倍だった。小売カテゴリーでは30倍だった。特定カテゴリーに興味があると推測される視聴行動をとってから日を経ても、そのようなひとのクリック率はそれ以外のひとよりも高かった。金融カテゴリーは360%、旅行は210%、パーソナルズは120%、小売は110%、クリック率の上昇が確認できた。また、特定カテゴリーに興味があると推測される視聴行動を1時間以内にしていたひとにランオブサイトで配信された広告のクリック率は、特定セクションで配信された広告のそれを上回っていた。例えば、旅行セクション内で配信された広告のクリック率は1.03%だったが、旅行セクション外のランオブサイトで行動ターゲティングされた広告のクリック率は2.02%だった。また、行動ターゲティングされた広告のクリック率は、3回目の露出までは低下しなかった。
ザトレードデスクのレポートによると、消費者は「ウォールドガーデン(Walled Gardens)」より「オープンインターネット(Open Internet)」の利用時間が長く、ウォールドガーデンに広告費を集中させると機会を損失する可能性があるという。 オープンインターネットの未来 | The Trade Desk https://www.thetradedesk.com/jp/open-internet その指摘に間違いはない。しかし、もし「オープンインターネットはウォールドガーデンよりよいもの」と読み解くならそれは間違いで、オープンインターネットとウォールドガーデンのそれぞれに長所があると理解すべきだろう。「オープン」という言葉には、開放的で、民主的で、透明な印象があり、一方の「ウォールド」という言葉には、閉鎖的で、独占的で、不透明な印象がある。そのせいか、ウォールドガーデンが悪者扱いされることがあるが、ウォールドガーデンではプラットフォームが利用環境やデータを集中管理しているからこそ、ブランドは正確に、安全に、容易にマーケティングを行えている。 先日たまたま見かけたビデオで、ウォールドガーデンとオープンインターネットの長所短所を整理しているシーンがあるので紹介しておく。オープンインターネットの短所を要約すると「Not Easy」だ。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000035203.html